Complete text -- "景 16 香港"

15 November

景 16 香港



18年前、生まれて初めて訪れた国はオーストラリア、なのだが…。
香港経由便だったので、厳密には、僕の海外第一歩目は香港啓徳空港にて記された事になる。



着陸の瞬間、機内では一斉に拍手が起こった。
高層ビルの群れへ突っ込んで行く派手なランディングで、大いに肝を冷やした事をよく覚えている。

嘘か本当か知らないが、往時の啓徳空港は世界で二番目に着陸が難しい空港だと聞いた。
一番はどこだろうか?



二度目の訪問は学生時代の冬休みに。
三度目は何ヶ月にも及ぶアジア横断の起点として。
そして、四度目。



香港へ行ったならば、何はさておき飲茶へと出向かなければならない。

蒸籠をうずたかく積み上げたワゴンが店内を巡回する。
呼び止めて蓋を取ってもらうと、湯気がもうっと上がる。

各種蒸し物、揚げ物、煮込みなどの小皿料理を、お茶を何杯も何杯も飲みながら、飽く事なく食べ続けるのだ。
これが夢のように美味しい。



亀ゼリー屋。

猥雑な路地裏に所狭しと様々な商店が並ぶ。
廟街には露店が出る。
食堂のガラス窓の向こうには大抵鶏やアヒルがぶら下がっている。



広西省は橋の米の線を通ります。

そう言い切られると、奇妙な説得力がありますね。



名物ダブルデッカー。
ご存知の通り長く大英帝国の統治下にあったので、通りや駅には英語名がついている事が多い。



麺の美味さはアジア圏随一。
はやい、うまい、やすい。

このイカのすり身団子はちょっと信じられないくらい美味かった。



香港は港町でもある。

海のある街はいい。
僕が好きなのは全てが港町。
イスタンブール、バルセロナ、神戸、フリマントル、エッサウィラ、ドブロブニク。



かの深夜特急の主人公は、この街を熱に浮かされたように毎日歩き回ったという。
それから30年以上を経た現在でも、その魅力の本質はさほど変わっていないようだ。


00:13:41 | ahiruchannel | |
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